個展で使われていたパネルの贈呈に島さんが来院されました

「生きもの  島 武己」

鋭い眼光、没頭する島 武己、全身から他者を寄せ付けないオーラが
初めて出会ったのはパンフレットにある写真の島 武己。
めらめらと射るように見つめる異様な眼差しは強烈で、何かが乗り映っているとしか思えない。

そして人間島 武己は、温厚で優しく人が良くて、何処かで見かけたような普通の人に見える。
と、騙されてしまう…私如き凡人は。

車を持たず、ぞうりを履き、スーツも着ずポロシャツとジーパン。
思い立てば海を歩き、山を歩き、野の草を摘み、体が必要とする以上の食物は口にしない。
どんなご馳走があろうとも。

飲むほどに酔うほどに饒舌になる。
が、しかし子供のように瞳をキラキラさせ夢を語りまた子供時代を語る。
本部の村全体が彼の遊び場であった頃、自然が海が山が彼を育て今の「島 武己」が表出したのだろう。
山深くにある穴窯の裏には広大な神秘的な山が控えている。
彼は語る「そこに文化の宿る憩いの広場を作りたい。
そして島 武己が没しても作品が後の世の人に見てもらえればそれで良いのだ」と。

少年のように目を輝かせ、将来を語る。損得勘定は無い。
しかし追求する「島 武己の世界」への欲は尋常ではない。
飽くなき追求。彼にはまだ見ぬ世界があるのか、と。

6/13/2005  藤本孝子